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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


光秀「それは遠慮願いたい」

謙信「この世の終わりだ…」
 
「ふふん、参りましたか?喧嘩は駄目って言ったじゃないですか」

謙信「舞に丸めこまれるとはな」

光秀「降参だ。謙信と仲直りしよう」

「良かった。敵でしょうけど、こっちに居る間だけでも仲良くしてくださいね」


謙信様が仕方ないと小さく息を吐いて、パフェに乗っていたイチゴを摘まんで私の口元に持ってきた。


「?」

謙信「舞は明智から手ずから物を食べさせられただろう。
 これを食べてもらわなくては『ふぇあ』ではないのではないか?」

「う…」


カットされたイチゴは小さめで、気をつけて食べたとしても謙信様の指に唇が触れてしまうだろう。

迷っているうちにイチゴが唇にあたり、生クリームに混じった甘酸っぱい香りが鼻孔をくすぐった。


謙信「遠慮せず、俺の指ごと食せ」

「いえ、そんなことっ、むぐ」


開いた唇をこじ開け、イチゴがコロンと口に入ってきた。
唇と前歯に謙信様の指があたってしまった。

謝ろうとした矢先に、その指先は謙信様の口元に行ってしまい…


ぺろ


「!?」


(か、間接キスっ!)


「や、何してるんですか、私のお馬鹿がうつったらどうするんですか!?」

謙信「うつるわけないだろう?」


何を馬鹿なことをと鼻先で笑われた。


光秀「軍神が馬鹿になれば、それにこしたことはないな。越後を陥落するのが容易くなる」

謙信「うつらん。生半可に越後に手を出してきたなら、骨身が粉々になるまで成敗してくれよう」

「わわ、また物騒な話になってる……」


戦国武将が言い争っているとは誰も知らず、二人の諍いは店内の賑やかな空気に溶けていった。


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