第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
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連れてこられた場所は天然石を扱っているお店で、中に入るとお店の人と光秀さんが何か話しているところだった。
「綺麗な石……」
パワーストーンの知識はなくても、色合いだけでも充分楽しめる。
「このお店で何か欲しい物があるんですか?」
謙信「ああ、土産としてな。だが俺達はこの時代では一文無しだ。
悪いが立て替えてもらっても良いか?あちらの世に帰ったら必ず返す」
お土産は買わないと言っていたのに気が変わったらしい。
「もちろんです!何が欲しいんですか?」
謙信「明智のところにある。見ておいで…」
お店のカウンターに向かって、そっと背中を押された。
(なんだろう?)
カウンターのガラスケースの上に、女性用のバングルとブレスレットが並んでいた。
バングルは繊細なラインのゴールドバーとブラウンのレザーが繋がっていて、身につければ二連、三連に見えるだろう。
レザーベルトは細くなっているところに涼しげなシアンカラーの天然石が2つ通されていた。
ブレスレットは、天然石と細いレザーの組み合わせだ。
バングルとは違い、天然石がぐるり一周している。
メインは灰色と白がマーブルになっている石で、アクセントに水晶、淡いパープルの石が使われている。
「………どちらも素敵な品ですね。
バングルは謙信様で、ブレスレットは光秀さんですか?」
光秀「よくわかったな」
「ふふ、なんとなくです。謙信様からお話は聞きました。お土産なんですよね?
贈り物用に綺麗に包装してもらいましょう」
光秀「支払わせて悪いな。帰ったら倍にして返す」
(倍!?)
びっくりして顔の前で両手を振った。
「ぼったくりの高利貸しじゃないので、利子はつけなくて良いですよ」
可愛くラッピングしてもらった品を渡すと、二人は大切そうに受け取った。
(大事な人に……あげるんだよね)
満足そうに笑っている二人を見ていると、何故か心が騒めいた。