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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


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――

下船後は一旦ホテルに戻って休憩し、日が傾くのを待って繁華街に出た。

日中は暑いとはいえ、やはり季節は秋。
夕暮れになると風は涼しくなり、リーンリーンと鈴虫が鳴きはじめた。

明日の早朝にはワームホールが開く予定なので、お土産を買うなら今しかない。

お土産を選び始めた私に、光秀さんは『帰るのか』と聞いてきた。


「帰ります」

光秀「乱れ狂う戦国の世を選ぶとは酔狂な女だ。
 しかし舞の意志は尊重する。明日、共に帰ろう」


酔狂な女だと言うわりに、嬉しさを噛み締めるように『帰ろう』と言ってくれて、それが凄く嬉しかった。


「はい!」


迷わず返事をして、お店が立ち並ぶ通りを歩きだした。




――――

民芸品の獣の置物を買おうか迷っているうちに、いつの間にか二人の姿がなくなっていた。
ボディーガードのように張り付いていた二人がいなくなると、妙に寂しい気持ちになる。


「私、迷子?」


(そんなわけないか。このお店を物色し始めた時は、二人共後ろに居たんだから)


そういえばお土産品に夢中になっていた時、どこかに行くと声をかけられた気がする。


(どこに行くって言ってたっけ?)


夕涼みを兼ねた観光客が多く、目立つ二人と言っても、見つけられなかった。


「この場所を離れるのはまずいよね。迎えに来てくれるまで待っていようっと」


細かい雑貨を売っているお店だったので、じっくり見て買い物をしていると、謙信様が現れた。


謙信「大事なかったか?一人にしてすまなかった」

「大丈夫ですよ。おかげでゆっくり見られましたし」

謙信「それは良かった。ところで来て欲しい店がある。一緒に来てくれるか?」


自然に手を握られてドキリとした。


「光秀さんも居ないんです。ここを離れるわけには…」

謙信「今から行く店に明智も居る」

「そうなんですか?お二人で行動なんて珍しいですね」

謙信「仕方あるまい」

「ふふ、じゃあ、行きましょうか」


謙信様が人を避けながら歩いてくれる。
現代人とは違うオーラが、広い背中から感じ取れた。

凍えるような冷たい眼差しと、静かに人を圧するオーラに、人混みが自然に割れていく。


(頼もしいな………)


繋いだ手にキュッと力を込めると、謙信様は何も言わずに握り返してくれた。


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