第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
「どうしたんですか?」
受け取ってもらえないドレッシングを手に持って、ポカンと見つめた。
やっと笑いがおさまったらしい光秀さんが、こっちを向いた。
まだ笑い足りないみたいで、口元に手をやってクスクス笑っている。
肩もそれに合わせて小刻みに揺れている。
(光秀さんがここまで笑ったの、初めて見るな……)
「光秀さん?あの…私、何かやらかしちゃいましたか?」
光秀「そうだな、小さじ10杯分くらいはあったかもしれないぞ?」
「えぇ?いつ、何が?」
(ドレッシングを舐めただけで小さじ10杯?)
謙信「さっきから小さじ何杯とは何の話だ?」
光秀「俺とこいつの秘密だ」
光秀さんはふっと笑みを漏らして、私の方に少しだけ身を寄せた。
(ん?)
自然な動作で人差し指を太もものドレッシングに……
謙信「明智、待てっ!」
謙信様が血相を変え、光秀さんは謙信様に意味ありげな視線を送った。
その流し見た動作の色気と言ったら、半端なかった。
光秀「待つ理由はない」
太ももにほんの少し付いていたドレッシングが長い指にすくわれた。
ついその行方を追っていくと、それは流れるような動作で光秀さんの口元へ。
(まさか……)
薄い笑いを浮かべた唇に、白い液体を纏った指先が……入った。
光秀「ああ、これは格別な味がするな」
謙信「……っ」
(うわぁ~~!!えっちぃ!!!!)
自分の肌に付いたものを舐められ、『格別な味』なんて言われて頭が爆発しそうだ。