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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)


――――
――

謙信様が国境の小競り合いをおさめに出かけて数日後。
城に留まるように言われて仕事をしていると、私宛に文が届いた。


(兄上からだっ!)


差出人を見て、急いで文を開いた。
ねん挫は完治し、あばら骨もようやくくっついて、今は鈍った身体を鍛えているところだという。


「あと10日程したら城にあがれるだろう……か」


(怪我が治って良かった……。文をしたためた日付を見れば、あと8日くらいね)


あと8日、ここで過ごせば兄上の場所を守れたことになる。
早く肩の重荷をおろしたい。


(ゆっくりお風呂に入りたいな)


四六時中緊張感を持ち、謙信様の襲撃に備えなくてはいけない生活も、もうすぐ終わりだ。
まぁ、今は謙信様が不在なのでユックリできているけれど。


小姓「尚文の兄上はなんと言って寄こしてきた?」


文を届けてくれた先輩が私の手元を覗き込んだ。


「あと10日…実質あと8日程で城にあがれそうとのことです。
 もうすぐ先輩方ともお別れですね。少し寂しく思います」

小姓「そうか。だがまだ8日ある。最後までしっかり勤めろよ」

「はい、もちろんです」


寂しさで元気をなくしていたところを先輩が励ましてくれた。
姫でなければ、ずっとここで仕事をしたいくらい環境が良い。兄上が羨ましい限りだ。

そう思っていると先輩が『うーん』と考えている。


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