第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
(謙信様Ver)
「お待たせしました!あれ……光秀さんは?」
ソファに水着姿の謙信様が座っていた。
謙信「明智ならバルコニーで海を見ているぞ」
「そうですか。時間によって海の色が変わるので今のうちに見ておくのも良いかもしれませんね」
謙信「その格好で行くのか」
「はい。水着を着て集合になっていますので。現地までタクシーで行きますし、心配しないでください」
謙信「水着ということは、海に居る間はずっとその格好か?」
「はい」
謙信様の眉間に深い皺が刻まれて、取れない。
(はしたない格好って……思われてる………?)
ワンピースで腕を見せただけで昨日の反応だ。昨日の今日で呆れられただろうかと心配になった。
謙信「この部屋から出すのが惜しい。誰にも見せたくない」
「………ぇ……」
(惜しいってことは、否定的な評価じゃない…よね?)
「へ、変じゃないですか?この格好……」
謙信「宿のプールに向かう女たちの格好を何度か見ているからな。
見かけた女達と比べても、今日の格好は舞に似合っている」
(さ、砂糖だ。甘い!甘いよ~~~)
「ありがとう…ございます」
照れて俯くと、頭を撫でられた。
大きな手のぬくもりが不安だった心を和ませてくれた。
「そうだ。謙信様、海で遊ぶ時は日焼け止めを塗った方が良いです。
謙信様は色白だから、何もつけないで過ごせば真っ赤になっちゃうと思うんです」
持っていた日焼け止めを差し出すと、戸惑いがちな視線を向けられた。
謙信「これを塗れば良いのか?」
(使い方を教えた方が良さそう)
「こんなふうに容器を振って、あとは適量を塗るだけです。厚塗りになっても真っ白お化けにはならないので心配しないでください」
容器の蓋を開けて、手の平に日焼け止めをちょっぴり出して見せた。
謙信「舞はもう塗ったのか?」
「はい、顔と足は塗りました」
(そういえば首周辺に塗るのを忘れちゃったな)
手に取った日焼け止めを首の後ろに伸ばした。
(水着の紐が邪魔で上手く塗れないな。後でもう一回塗ろう)
今日の水着はホルタータイプなので、首の後ろにリボンがある。
後でリボンを解いて塗ることにして、とりあえず首の前と、鎖骨周辺に塗った。