• テキストサイズ

☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


「良かったです。楽しんでもらいたいとは思いますが、疲れ切ってしまっては楽しさも半減してしまいますから…。
 こちらに居る間はゆっくりした気持ちで過ごしてくださいね?
 向こうにあるバルコニーで過ごしても、刺客が来るとか、銃撃されることはありません」


殺人や銃撃が全く無いわけじゃないけど、隣のホテルとはキロ単位で離れているし、セキュリティもしっかりしたホテルだ。

油断なく暮らしている毎日から、今だけ解き放たれて欲しいと思う。


光秀「わかった。風呂から上がったら涼んでみることにしよう」

「波音を聞きながらお酒を飲むのも良いかもしれませんね」

光秀「さっき冷蔵庫の説明をしてもらったが、この世は暑い時でも冷たい物が容易く手に入るんだな」

「はい。電気のおかげで夏でも冷たい物が飲食できますし、こうして部屋の温度を下げることもできます」

光秀「このような時代で育った舞に、戦国の世は不便だろう?」

「不便だとは思いますが、あっちの時代の良さもありますから。
 慣れてしまったので平気です」

光秀「暑気あたりを起こしていたお前が言うと説得力にかけるぞ?」


光秀さんがクスっと笑った。


「それは……まぁ、言い訳もできませんけど…」


ばつが悪くなって、言葉が尻切れになった。


光秀「このまま帰りたくないと思わないのか」

「え…?」


顔をあげると、芯の強い眼差しが私を捕えていた。


光秀「戦国の世に帰りたくなければ無理に帰る必要はないぞ?
 舞はこの時代の人間だ。もし残るなら俺から信長様に伝えてやる」

「私は戦国時代に帰るつもりです」

光秀「何故だ?生まれ育った時代だろう。
 ここで生きた方が、お前にとって生きやすいんじゃないか?」


光秀さんの言葉が、帰ろうと決めていた気持ちを惑わせた。


「生きやすいとは思います。ただ………」


正直、戦国時代の文化に惚れこんでしまった。
主に織物だけど、現代では見られない技巧に魅せられてしまった。

あの時代の人にとってはありきたりの反物でも、私にとっては凄く貴重で、それらを使って着物を仕上げることに幸せを感じていた。


/ 1022ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp