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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


飼育員「ではショーの目玉!イルカとの触れ合いコーナーです!
 触りたい方は手をあげてくださーい!」


(触りたいっ!)


ビシッと真っ直ぐ手をあげた私を、光秀さんと謙信様がおかしそうに見ている。

子供っぽいと思われていそうだ。


「笑っている場合じゃないですよ!貴重な体験ができるかもしれないんですから!
 こういうのはカップルの方が当たりやすいんですっ」

謙信「カップルとはなんだ?」

「いいからつべこべ言わずに手を挙げる!」

謙信「!?」


謙信様の手を取って、無理矢理手を挙げさせた。


飼育員「ではそこのイケメンさんと彼女さん、どうぞ~~」

「う、うそ…。当たっちゃった」

光秀「ふっ、あれほど勢いよく手をあげていればな。行ってこい」

「すみません、光秀さん、いってきますね」


謙信様が立ちあがり、手を引いてくれた。


謙信「床が濡れて滑りやすい。気を付けろ」

「ありがとうございます」


私達の他にも数組がステージに立った。
突然のイケメン登場に、観客の…主に女性達が目を輝かせている。


飼育員「では触れ合う前に、イルカにゼスチャーで指示を出してもらいます。
 水面に向かって両手で円を描くようにして………」


言う通りにゼスチャーすると、半身水に浸かっているイルカがクルクルとその場で回ってくれた。


「わっ、できた!できましたよ。謙信様っ!」


隣に居るのだから見てくれているとわかっていても、嬉しくてアピールしてしまった。

謙信様が満面の笑みを浮かべている。


謙信「よくできたな」

「謙信様もやってみてください」

謙信「こう……か?」


同じ動作をしているのに、謙信様だと優雅に見えた。


「そうそう!!可愛い!!」

謙信「……お前もな……」

「何か言いました?」

謙信「いや、なんでもない」


いよいよ触れ合いタイムになり、イルカがプールから上がってきた。


謙信「…陸に上がっていて大丈夫か?」


謙信様が心配そうにイルカを見ている。
いつもナイフみたいに切れそうな眼差しが、今は気遣うような色を浮かべている。


(謙信様って佐助君達には物騒なことばっかり言っているけど、動物には優しいみたい?)


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