第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)
謙信「そうなのか?」
「……滅相も…ございません」
すぐ隣に座っているので、謙信様が近い。
そんな間近で見られたら嘘なんてすぐにばれてしまいそうだ。
幸村「ははっ、尚文、そんな情けない顔して謝る必要なんてないぞ。謙信様は遠慮深いやつより、どっちかというと図々しいくらいが好きだからな。
俺と佐助を見ればわかるだろ?」
「はい、それはわかりますが…」
(私のような者にそれはできない話だ)
ちゃんとわきまえないと、私の非礼は兄上の非礼に繋がる。
佐助「なんとなく尚文さんは兼続さんと雰囲気が似ているな」
「兼続様…ですか?」
佐助「謙信様至上主義なところとか、服装がきっちりしすぎるくらいきっちりしてるところとか…。今日だって軽装だけど、ほとんど肌が見えない」
幸村「そう言われればそうだな。暑かったら脱いでいいからな?」
「はい」
私が無意識に着物の袷を掴んだのを、謙信様は静かに見ていた。