第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
「なんで笑っているんですか?」
光秀「いや…舞が男前すぎてな」
謙信「女に稼がせて暮らすなど、俺が許すと思うか?」
「だってそういう世の中なんですよ」
光秀「たとえそうであろうと、お前ひとりに稼がせたりなどしない。
幸い、真っ当ではない仕事に就くのは慣れているのでな?
だがお前が俺達を守ろうとしてくれた気持ちはありがたく受け取っておく」
琥珀の目が『ありがとう』と言ってくれている。
謙信「お前がそのように気の強い女だとは知らなかった。呑気だとばかり思っていたが頼もしいのだな?」
二人は何やら嬉しそうだ。
一大決心を笑い飛ばされてしまい居心地が悪いけど、悪い気分はしない。
「どう思われてるのかわかりませんけど、私だってやる時はやるんですからね?
そんなにやわな根性してないです」
夏休みが欲しいなんてダレていたけど、もともとはバリバリ働くタイプだ。
光秀「ああ、そのようだな。良い機会だ。
これからの3日間は舞を知るために尽力しよう」
「尽力って、そんな大げさな…」
謙信「大げさでもないぞ?こちらに来てからは、知らない舞ばかりだ。
楽しみにしているぞ?」
(楽しみにされるような人間なのかな、私??)
お針子さんや町娘とたいして変わらない普通の人間だ。
それも含めて見てもらえば良いのかなとも思った。
「とにかく3日間、休暇だと思って楽しみましょうね?」
(戦国武将二人とバカンスだなんて、改めて考えると凄いことになっちゃった。ワクワクするっ!)