第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
光秀「なるほどな。謙信らしき男がここ数日城下で目撃されていたのは、そのせいか」
そういえば光秀さんは秀吉さんに『概ね異常なし』と伝えるよう家臣の人達に言っていた。
『概ね』ということは、わずかでも異常があったということだ。
そのわずかな異常は、安土に潜入していた謙信様のことだったみたいだ。
謙信「あんなに堂々と歩いてやったというのに見つけられぬとは、安土の警備はザルだな」
謙信様は鼻先で笑い、二人の視線がぶつかり合ってバチバチと音がしそうだ。
いつもなら止めるところだけど放っておいて手紙の続きを読んだ。
(えーっと………『ただし舞さんが少しでも里帰りしたい気持ちがあれば……』)
予想もしていなかったことが書かれていて、思わず声をあげた。