第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)
謙信様の手が離れると刀の重さがずっしりきた。
(重いっ!)
光秀さんからは刀の他に銃も預かり、重たい上に長さもあるので閉口してしまった。
ホテルの売店で買ったタオルをグルグルと巻きつけた。
ピンクのハイビスカスのタオルにくるまれたそれが、まさか本物の日本刀と火縄銃だとは誰も予想しないだろう。
「どこかに預けるわけにはいかないですし、持って歩くしかありません。
次は着る物を買いに出かけましょう」
ホテルの売店では細々とした衣類は売っておらず、近くのショップに行くことにした。
預かった品々を、さも小道具ですという感じで腕に抱えて歩く。
光秀さんと謙信様は狐につつまれたような顔をして後をついてくる。
疑問は多々あっても、私を気づかって後回しにしてくれているんだろう。
謙信「……?」
光秀「……??」
光秀さん達は無表情ながら高い建造物や見慣れない植物、車や人々の様子に驚いていて、私はそんな二人の様子を微笑ましく見守った。