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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第14章 9月の夏休み!(謙信様&光秀さん)


お店を一歩出たところで頭にポツンと雨粒が落ちてきた。


「あれ?雨?」


通りの土が雨に濡れて独特の匂いが立ちのぼる。


光秀「ちょうど降ってきたようだな。仕方ない、店の中で雨が過ぎるのを待つか」

「そうですね」


光秀さんの提案に返事をした視界が、一瞬にして真っ白になった。


(え?!)


直後、耳をつんざく轟音がした。
周囲から叫び声や怯えた声が上がる。


「雷……?」


目がくらんでチカチカする視界では、どこに落雷したのかわからなかった。

雨がザーザーと音を立てて降り始めた。


「中に入りましょう」


目を擦りつつ、歩き出そうとしてバランスを崩した。

何かに躓いたわけではなく足を置いた場所に……何もなかった。

周囲の景色が突然薄くなり、水墨画のように変化した。


「っ……!?」


色を失った景色がグニャリと歪む。


(これって……ワームホールっ!?)


「い、嫌っ……」


(現代に帰りたくない!)


近くに居るはずの二人に手を伸ばした。
私からは見えていないだけで、そこに居るかもしれないから。


「助けて…っ!」


縋る想いで伸ばした手を、誰かが力強く掴んでくれた。

視界は真っ白になり、浮遊感と酷い眩暈に襲われて目を閉じて……そのまま私は意識を失ってしまった。

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