第13章 姫がいなくなった(信長様)(後編)
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四半刻も経たないうちに秀吉達が騒々しく現れ、俺達の仲を祝うと花見の宴が開かれた。
二人きりの逢瀬が大宴会になり舞は最初戸惑いを見せていたが、そのうち照れくさそうに酒を飲み始めた。
「昼間からお酒……罪悪感が…」
家康「気にしない。あんたと信長様を祝う宴なんだから」
光秀「おや、このあたりは悪い虫が居るようだな」
「っ」
秀吉「虫!?舞、刺されたのか?見せてみろ」
「ち、違うよ」
三成「おや、信長様も刺されておいでですね」
家康「…おい……」
政宗「あ?ふっ、そうだな。信長様を刺したのは随分と恥じらいがある虫だったみたいだな」
慶次「へぇ、あんたが噂の姫さんか。信長様に痕をつけるなんて、やるじゃねぇか!」
秀吉「っ!?」
「わわわ…えーと、えーと…」
信長「そのくらいにしておけ。舞、宴の主役は貴様だ。酌は良いから俺の隣に座っていろ」
「はい…」
真っ赤になった舞が隣に座る。
慶次「似合いの二人だな!」
すかさず慶次が酒を注ぎに来た。
家康「ちょっと…慶次は舞と初対面なんでしょ。そんなに馴れ馴れしくしたら舞が困るでしょ」
「全然平気だよっ。よろしくね、慶次さん」
徳利を持ち、慶次に酒を注いでいる。