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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第13章 姫がいなくなった(信長様)(後編)


信長「牽制しなくてはいけない輩が別に居たな」

「え?」


見上げてくる顔に笑みを返し、右手で着物の襟を引っ張り、首筋を晒した。


「信長様……?」


驚き、顔を赤らめた舞に首筋を近づける。


信長「付けろ」

「な!?え?何をですかっ?」

信長「所有の証を付けろ。貴様が自分をどう評しようと構わんが、俺は女中も、その辺の『凄く素敵な姫』に興味はない。 
 言っておくがこれを許すのは、後にも先にも貴様だけだ」

「信長様……」


後ろ盾もなければ、この時代の常識も知らないのだから自信が持てず、不安に思っているのだろう。
だがそのようなことは後付けでどうにでもなる。


(最も大切なのは舞の気持ちだ)


信長「舞が良い……そう言っている。
 他の女どもを黙らせる印をつけろ…その口で…」


所有痕を付けやすいように首筋を舞の唇に近づける。

しばし躊躇っていたが、おずおずと顔を近づけてきた。

舞の髪からは、花を寄せ集めたような嗅いだことのない香りがした。


ちゅ……


「あ……、失敗してしまいました。もう一度…」


ちゅ……


信長「……」


吸う力が弱い。気付かれぬよう小さく笑った。


(この調子ではなかなか付かんだろうな)


二度、三度と柔らかな唇が触れるたびに、愛欲を煽られる。


「やっと付きました!すみません、何度も…。痛くなかったですか?」


ペロ……


所有痕が付いたと思われる場所を、申し訳なさそうに舐められた。

子犬が傷ついた場所を舐めるように…。


信長「っ」


誰にも明かしていないが俺は首が弱い。
毛が逆立つ感覚がして堪らなくなり、襟から手を放し、小さな頭をひき寄せた。


「わっ」


手の平にサラサラとあたる感触が愛おしい。髪に口づけて頬を寄せた。

髪の香りと舞の温もりが心を満たしていく。


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