第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)
―――二刻後
「はぁはぁ…さ、佐助殿……申し訳ありませんが、足の感覚がなくなってきたのでそろそろ休憩をいただけませんか?」
佐助「そうですね。尚文さんがトレーニングについてきてくれるので、つい熱がはいってしまいました」
「軟弱で申し訳ない」
そう言いながら木の根元に腰を下ろした。
体力は底をつき、身体中の水分が出たのではないかと心配になるくらい汗をかいた。
今までこんなになるまで身体を動かしたことはなかった。
(あちこち身体が痛いけど爽快だわ…)
そよそよと吹く風が、熱くなった肌に気持ちがいい。
佐助「俺のハードコースに初日からついてこられるなんて、全然軟弱じゃないですよ、尚文さん」
私が休んでいる間に佐助殿は川から水を汲んできてくれて、竹筒を差し出してくれた。
「ありがとうございます、ふふ、お付き合いくださってありがとうございます。佐助殿はお優しい方ですね」
笑いかけると佐助殿が一瞬目を瞬かせた。
「ん?どうしましたか?」
佐助「いえ…尚文さんが綺麗なのは知っていましたが、今の笑顔は反則級でした。本当に綺麗な人だな」
「えっ!?」
両手で頬を押さえた。
(疲れすぎて、無防備な顔で笑っちゃったかも!?)
佐助殿は落ち着いた動作で私の横に座って水を飲んでいる。
佐助「大丈夫。俺は男色の趣味はないから」
「…っ、私もですっ!」
?「やっぱり、まーだやっていたのかよ。よくやるよな」
呆れ混じりの声が聞こえて振り向くと、そこには幸村様と……
「け、謙信様っ!?」
城で政務を行っているはずの謙信様が立っていた。