第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)
「はぁはぁ」
(お転婆姫とはいえ…流石にここまでしたことはなかったわ)
兄や弟と一緒に鍛錬したこともあるし、山登りの経験もある。
けれど、ここまで全身を使う動きを連続でしたことはない。
汗が噴き出して止まらない。
佐助殿は涼しい顔で記録を続け、その紙の枚数は5,6枚にもなっている。
ちらりと覗くと細かい字がびっしりと並んでいる。
いたずらに無茶苦茶なことをさせているわけではないし、態度も見習いの子供相手(本当は子供じゃないけど)なのにとても丁寧だ。
さすが謙信様に仕えている忍びだ。
佐助「だいたいデータはとれたので、今日中にトレーニングメニューを作成して、明日には届けます。それを参考に鍛錬してみてください。
今日は山の傾斜を使って太ももの鍛錬をしましょう」
「はい、よろしくお願いします…」
もうこうなったらどうにでもなれだ。
姫の自分ではやらせてもらえない貴重な体験だと思おう。
少しでも謙信様を守る力になるのなら、多少辱めを受けようとも頑張れる気がした。