第11章 聖なる夜は騒がしく(謙信様)(R-18)
(謙信目線)
舞と他の男達との距離が近い。
明智の懐に手を入れるなど、俺が許すと思うか?
信長も信玄も、舞を見る目は温かいが、ふとした折に熱を宿している。
佐助も蘭丸も、わきまえているが舞を大事に想っていることに違いはない。
何かの拍子に内に秘めた熱が表に出てこないか。
四六時中舞を見張っているわけにもいかず、心配でならなかった。
(まずは自覚もなく可愛らしい笑みをふりまいた妻に仕置きをしなければな)
呑気に寝ようとしている舞の夜着に手をかけた。
控えていた酒を久しぶりに飲んで、頬が上気している。
(このように目も潤ませて……他の男がどう思うか、わかっているのか?)
何度言っても『私はモテないから大丈夫ですよ』と言うが、複数の男達に好意を持たれているこの状況で、どの口が言っているのだと言いたい。
謙信「今夜は随分と他の男と仲良さげにしていたな?」
「そ、そんなことないですよ!でもそう見えたのなら謝ります…」
謙信「言葉で許してやるほど俺は心が広くない」
薄茶の目を丸くさせ、何かを言おうとした唇を己の唇で塞いだ。