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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第10章 姫がいなくなった(幸村)


もし光秀が良いと言われたら、適う気がしない。


幸村「俺ばっか心配して馬鹿みたいだ」

「そんなことないよ。私だっていきなり現代に帰っちゃったから、どうしようって凄く悲しんだし、悩んだんだから。
 それに光秀さんは今しか居ないでしょう?幸村はこれから毎日ずっと一緒に居られるじゃない。
 誤解しないでね?別に幸村より光秀さんと話したいっていう意味じゃないよ?」


(わかってるよ、そんなこと)


幸村「これからずっと一緒に居られるか、わかんねぇだろ。
 今回は戻って来られたけど、次は戻って来られないかもしれないじゃねぇか…!」

「それは………そうだけど」

光秀「こら、幸村。そんなに舞を困らせるな」

幸村「うるせー」

光秀「二日酔いの上に、やきもちを妬かされて腸が煮えくり返っているのはわかるが、もう少し優しくしてやれ。
 舞が泣いているぞ?」

幸村「っ!?」


慌てて身体を下ろし舞の顔を覗き込んだ。


幸村「悪い、泣かせるつもりは…って、泣いてない…」

「ふっ……ふふ。幸村ったら、光秀さんは悪戯が大好きなんだよって教えておいたでしょう?」


クスクスと笑う舞の目には涙ひとつ浮かんでいない。


(また光秀にやられた)


幸村「いいか、城門に戻って直ぐ帰れ!もう一泊なんてさせないからなっ!!!」

光秀「本気で舞を泣かせたいのならそうするが…?」

「幸村……ひどい」


若干わざとらしさを匂わせて舞が悲しそうな顔をしている。


幸村「こっ、の~~~~~~!」


二人の顔をじろりと睨みつけると光秀が吹き出し、舞がアハハと笑った。


光秀「ふっ」

「良かった、幸村と光秀さんが仲良くなってくれて!」

幸村「なってねーよ!!」


久しぶりにギャーギャー言い合いながら城へ向かった。


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