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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第10章 姫がいなくなった(幸村)


光秀「これを聞いたのは2か月前だ」

幸村「姿を消す1か月前…?舞はどこでお前と会ったんだ?」


光秀が胡散臭い笑いを浮かべた。


光秀「それはあいつと俺の秘密だ。聞きたければ舞に聞くんだな。
 それでその時、あの小娘は俺にひとつ願い事をした」

幸村「願い事?お前に?」


(なんで俺じゃなくて光秀にお願いをしたんだ?)


光秀「お前にお願いしなかったのではなく、できなかったからだ。
 何故ならあいつの願いは『幸村を助けて欲しい』という内容だったからな」

幸村「助けて欲しいって………別に俺は……」


俺を助けて欲しいだなんて、どういうことだ。


光秀「舞なりにささやかな頭で考えたのだろう。

『もし私が突然姿を消したら、それはワームホールのせいだと思うんです。
 自惚れじゃなければ幸村はきっと…凄く寂しがってくれる。それも誰にも弱音を吐かず、ひとりで。信玄様や佐助君の前だと猶更平気なふりをすると思うから……光秀さん。私を探しに来たフリをして幸村の様子を見てあげてくれませんか?』

 ……随分いじらしいお願いだと思わないか?」

幸村「舞のやつ………」


光秀相手の方が、余計に平気なふりをするだろ!とツッコミをいれる。


光秀「お前の顔を見たら平静を装っていたが、昔のような輝きがなかった。
 幸村は秀吉と同じでな、影でひっそりと生きる俺には眩しい。しかしお前にはその輝きが失われていた。だから少し手を加えてみたのだが…楽しかったろう?」


光秀が意地悪く笑った。


幸村「あれのどこが楽しいんだよ!ったく性格悪いな、あんたはっ。
 茶を飲む時どんだけ意を決して飲んだと思ってんだよ。甲冑はゆるゆるだし、結んでやるとか言っておいて、紐を解いたんだろう!?」

光秀「ふっ、その調子だ。かしこまった幸村では俺も楽しくなかったからな」

幸村「なんでお前を楽しませなきゃいけないんだよ!」


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