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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第9章 姫がいなくなった(家康)


家康「舞が帰ってきてくれて、子供までできてるなんて、喜ばないはずがないでしょ。
 俺がどれだけ舞のことを好きか、わかってない…」

「だってまだ恋仲になったばかりだったでしょ?
 『そんなつもりじゃなかった』って言われたらどうしようって。妊娠がわかってからはそればかり…考えてた。
 会いたかったのに会うのが怖かったの」


傍に居てあげられたら舞が不安を抱えることなんてなかったのに。
ひとりにしてしまったのは不可抗力だったけど、それでも悔やまれた。


家康「馬鹿……。舞を抱く時に何も配慮しなかったのは、いつできてもかまわないと思っていたからだけど?」

「え……?」

家康「好きだよ、本当に。心の底からそう思ってる。
 ちょっとお転婆だけど、優しくて、可愛くて、時々驚くくらい強い内面も。
 あと…雨が降ると、いうことがきかなくなるクくせ毛も……全部」

「い、家康?」


突然の告白に舞が腕の中で動きを止めている。


家康「舞みたいな娘、他には居ない。
 だからどうしても舞を俺のものにしたくて、他の奴にとられたくなくて、いっぱい抱いた」


一瞬たりとも俺のものだという証が途切れないよう、夜だけでは飽き足らず、早朝に抱いた時もあった。


「そんなに特別な女の子じゃないよ?私……」


恥ずかしそうに身を縮めている。少しだけ見えている耳が真っ赤だ。
これで少しは俺の気持ちがわかっただろう。


家康「俺にとっては特別。日ノ本中の女から一人選べって言われたら、必ず舞を選ぶ」

「家康……」

家康「運命の相手ってそういうものじゃない?」

「運命?私が?」

家康「他に誰がいるの。たとえ他から見て普通に見えても、俺にとっては全然普通じゃない。
 一人だけ特別輝いて見えて、どうしても自分のものにしたいって思えた」


舞の手が俺の背に回った。
弱々しかった力が次第に強くなっていく。


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