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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第9章 姫がいなくなった(家康)


こいつと居ると眉間の皺が寄りっぱなしになるからと、さっさと追い出そうとすると三成が数冊の本を出してきた。


家康「こっちは何?」

三成「それは舞様が以前より読みたいと言っていた本です」


部屋の空気が張りつめ、廊下の方で家臣がはっと息をのんだのが聞こえた。
家臣をさがらせ、二人きりになる。


家康「あいつはもう居ないんだけど、どういうつもり?」


凍った心に湧き上がる怒りの炎。
なぜ思い出させるんだと、荒れ狂う。


三成「これほど日ノ本を探しても居ないということは、500年後に戻っていったのでしょう」


そんなことわかっている。
舞が消えたその日のうちに予感していた。


三成「ちょっと里帰りして、また戻られますよ。家康様」


ちょっと?
里帰り?


家康「お前っ……、馬鹿なの?そんな簡単なことじゃないだろう!」

三成「簡単なことではありませんが、舞様は戻って来られると思います」

家康「なんで理由もなくそんなことを言えるんだ」

三成「理由はありますよ。舞様は家康様をとても愛しておられました。
 自分の意志であちらに戻ったのでなければ、家康様の元に帰ろうと今頃頑張っていることでしょう」

家康「頑張ったところで…道が開くわけがないでしょ」

三成「私は開くと思います」


バン!!


文机を思いっきり叩いた。


(どうしてこいつはいつもいつも俺の神経を逆なでするんだ)


家康「根拠のない三成の意見なんて聞きたくない。悪いけど、出てって」


触りたくないけど、三成の身体を押して廊下まで追いやった。


家康「人の心にズカズカ入り込んでくるの、本気でやめて」


三成が何か言う前に襖をパシンと締めてやった。


三成は舞が帰ってくるのを信じられて、
恋仲の俺が信じられないなんて……やりきれなかった。


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