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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第8章 姫がいなくなった(秀吉さん)


――――

秀吉「お前は米が好きなんだってな。信長様から聞いたぞ?可愛がってもらって良かったな」


夜になっても秀吉さんは御殿に帰らず、城の中にある自室に戻った。
止まり木を用意してくれていて、小さな器にお米や雑穀類、青菜が小さくちぎって置かれている。


「チャ~(わーい)」


羽黒がとってきた毛虫の後だと、どれもご馳走に見えた。

ツンツンとつついて頬張っていると、秀吉さんが私をジーっと見ていた。


「チャ?(秀吉さんも食べる?)」

秀吉「いや、俺はいらない。お前が食え。
 しかし舞はどこに行ったんだろうな。やっぱり元の時代に帰ったのかな…」


肩を落としている秀吉さんは、いつもより小さく見えた。


「チャッ、チャッ!!(ここ、ここだよ!!)」

秀吉「ん?どうした。ほら、そろそろ寝る時間だぞ?」


用意されていた鳥籠の中に入れられてしまった。

パタパタと羽を動かしていると秀吉さんが覗き込んできた。


秀吉「おやすみ」

「チャ(おやすみ)」


本当は一緒に寝たいけど、今は鳥の姿だから我慢だ。


秀吉「本当にお前は言葉が理解できるみたいだな」


部屋が暗くなると鳥の習性なのか睡魔が襲ってきた。

私が羽毛にくるまって眠っている間、秀吉さんは何度も寝返りをうって眠れないようだった…。


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