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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第8章 姫がいなくなった(秀吉さん)


――――

その後羽黒はどこからか青菜を運んできてくれて、信長様はお米をくれた。


「チャ……(お米最高……)」


お米が入ったお皿でまったりしていると、秀吉さんの声がした。


秀吉「信長様、失礼します」

信長「入れ」

「チャ、チャ♪(秀吉さんだ♪)」


飛び跳ねた時にお米が一粒お皿の外に落ちた。


秀吉「あ、こら。食べ物を無駄にするなよ」


秀吉さんはお米をお皿に戻し、私を手の平に乗せてくれた。


秀吉「信長様、こいつの世話をしていただきありがとうございました。
 舞についてですが、手掛かりはありません」

信長「目撃した者も居ないのか」

秀吉「はい。城中、城下ともに昨夜以降、舞を目撃した者は居ません。
 部屋まで送った俺が最後の目撃者になります」

信長「普段と違う様子や会話をしなかったか」

秀吉「様子は変わりませんでした。酔っていたので、笑い上戸にはなっていましたが…」

「チャ……(恥ずかしい)」


秀吉さんは床の一点を見つめ、昨夜の会話に手掛かりがないか考えている。


秀吉「やはり何も気にかかるような会話はしませんでした」

信長「そうか……」

秀吉「これだけ探しても見つからず、部屋の様子も誰かにさらわれたというよりも、消えていなくなったような状態でした。
 元の時代に帰ってしまったのではないかと危惧しております」

「チャ??」

信長「………」

秀吉「………」


深刻な顔をした二人に、鳴き声ひとつあげられなかった。


『どうしたら私がここに居るって教えられるんだろう』


チャ!しか言えないし、手も使えないし、首はあんまり動かない。

考えていると外から鳥の鳴き声が聞こえてきた。


『わぁ、素敵な声』


「チ、チ、チャチャチャ(もっと鳴いて欲しい)」

信長「お前の番(つがい)の声か?」

「チャ!?(違う違う!)」

秀吉「帰りたければ帰って良いからな」


秀吉さんの膝の上で羽をパタパタさせる。


「チャ!チャチャ!!(私の恋人は秀吉さんだもん!)」

信長「……何やら怒っているぞ」

秀吉「信長様もそう思われますか?ふっ、変なやつ、よしよし」


秀吉さんがひとさし指で頭を撫でてくれた。


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