第8章 姫がいなくなった(秀吉さん)
「……チャ……(怖い)」
指一本に掴まらせようとして、私がフラフラと覚束ない動きをしていると眉を寄せた。
信長「このように不器用な成鳥は初めてだ。よく今まで生きてこられたものだ」
これでも手先は器用なほうなのに……。
ショボンとしていると、信長様はニヤリと笑った。
信長「それに人の言葉を理解しているようにも見える」
秀吉「そういえば先ほども私の言葉に返事を……」
光秀「ほう?では案外その鳥が舞なのではないのか?」
「チャ!チャ!チャ!(光秀さん、鋭い!すごい!)」
興奮して鳴いてみせたけど、秀吉さんに一蹴された。
秀吉「ははっ、まさか!冗談を言っている暇があったら舞を探せ」
秀吉さんは信長様から私を受け取り、皆に捜索の指示を出し始めた。
「チャチャチャチャッ!!!!
(秀吉さんの馬鹿っっっ!!!!)」
秀吉「いたたたっ!?どうした急に!?」
せっかくのチャンスをふいにされ、ムカついたので手のひらをつついてやった。