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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第8章 姫がいなくなった(秀吉さん)


秀吉「舞!?どうなってるんだこれ……」


脱いで置いたとしてもこんな風にはならないだろう。本当に寝たまま小さくなったのだと落ち込んだ。

秀吉さんは夜着に触れようとして手を引いた。
おそらくこの異常な状況を残しておくためだろう。


秀吉「舞っ!舞!おい、誰か居るか!?」


秀吉さんの声で、私に付いている女中さんが慌てた様子で駆け付けた。


女中「秀吉様、お呼びでしょうか?」

秀吉「今日舞の姿を見たかっ?」

女中「いえ……。姫様が起きるにはまだ早い時間ですし、まだ見ておりません」

秀吉「声をかけて襖を開けたらこの状態だった」


女中さんは部屋の中の布団を見て、口元を手で覆った。


女中「まぁ!!これは……」

秀吉「ただの杞憂(きゆう)かもしれない。念のため、この部屋の近辺を徹底的に探してみてくれ。俺は他を見てくる」

女中「は、はい」


女中さんが廊下を急ぎ足で歩いていく。秀吉さんはそれとは逆の方角へ……


『あ、置いて行かないで!』


入口まで行き、締まりそうだった襖の隙間に滑り込んでなんとか廊下に出た。


「チャ!チャ!!(秀吉さん、行かないで!)」


羽ばたこうとして廊下に落ちる。
バタバタと羽をばたつかせていると秀吉さんが振り返ってくれた。


秀吉「ん?なんだお前、羽を怪我しているのか?」


廊下に這いつくばるようにしていたから、そう見えたのかもしれない。

秀吉さんの手が伸びてきて、身体を持ち上げてくれた。


秀吉「悪いが今取り込み中なんだ。少し我慢してくれ」

「チャ!(もちろん!)」

秀吉「ん?返事するなんて、変わっているな、お前」


厳しい顔つきだった秀吉さんが一瞬笑ってくれた。


「……(かっこいい…)」


秀吉さんは手のひらに私を乗せたまま、城のあちこちを探してくれた。
私はここに居るって伝えたくてもできないし、きっと信じてもらえないだろうと黙って手のひらに座っていた。

女中さんと秀吉さんが合流し、私がどこにも居ないとわかり、騒ぎはいよいよ大きくなっていった。


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