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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第7章 姫が居なくなった(三成君)


家康「後で絶対返してよ」


思わず手に取っていた本の先を見て、三成はやっと家康の存在に気が付いた。

猫さんは三成に解放されて素早く逃げ去っていった。

こんなのがうちの参謀で大丈夫だろうかと家康がため息を吐いた。


三成「家康様でしたかっ、ありがとうございます!直ぐに読んでお返ししますね」

家康「急がなくていい。読んでる間は…忘れられるでしょ」

三成「何を忘れられるんですか?」

家康「ったく、イチイチ鈍いやつだな。いいから、ゆっくりじっくり読んで返してよ」

三成「そんなに面白い内容なのですね。楽しみです」

家康「はぁ……」




クスクスクス………




それをずっと遠くから見ている人間が居た。


手には濃淡様々な紫色のチューリップの花束を持っている。


小さい笑い声に気が付いた光秀と政宗が驚いたように振り返り、やがて笑みを浮かべて迎え入れた。


小さな足が三成に気付かれないように一歩、また一歩近寄る。


家康「……っ」


気が付いた家康が道をあけた。

三成は気づかずに兵法の書を開いている。

大好きな人の相変わらずの姿に、舞は満面の笑みを浮かべた。


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