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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第7章 姫が居なくなった(三成君)


三成「………っ」


(舞様が………帰ってしまわれた…)


500年先の世から来たと聞いた時、いつかは帰ってしまうのだろうと思った。
しかしいつしかそのことを忘れ、ずっと居てくれると都合の良いように考えていた。


(私は本当に……愚かだ)


謙信「……舞は一体何者だ?」


そうだ、この男の存在をすっかり忘れていた。
見ると謙信も虚をつかれた顔をしている。


三成「舞様のことは詳しくお話することはできません。
 ですが尊い方だったことは確かです。こうして同じ時を過ごせたことは奇跡でした…」

謙信「死んで……しまったのか?」


一段と低くなった声には力が入っていない。


三成「いいえ。あの方が居るべき場所へ帰っていったのです」


居るべき場所という表現に首を傾げていたが、詳しく話せないと言ったせいかそれ以上の追及はされなかった。


謙信「そうか……生きているならば良い。生きていればいつか会えるやもしれん」


きっと私に聞きたいことはあるだろうに、謙信は静かに腰をあげた。


三成「そう…ですね」


(生きていても違う時間の流れを歩み続ければ、もう二度と会うことは適わない)


消えるのを目の当たりにして、今は…後ろ向きの考えしかできない。
先ほど放り出した刀を力なく拾って鞘に収めた。


謙信「舞との約束だ。今日のところはこのまま去るが、次はそうはいかない。
 そのひ弱な腕をせいぜい磨いておけ」

三成「……はい」


(舞様の命を3度も助けて頂いた方と直接戦いたくないが…)


そんな義理に捕らわれては戦乱の世を乗り越えていけない。
今も、今後も謙信は信長様の前に必ず立ちはだかる男だ。


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