• テキストサイズ

☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第7章 姫が居なくなった(三成君)


――――

三成「あれは………」


遠くに見えたのは単騎……白い馬に乗っている。
近づくにつれ、白馬の周辺に数名の男達が倒れているのが見えた。
乗り手を失った馬が数頭、走り去っていく。


(光秀様の読みがあたってしまったようだ)


手綱を掴む手に力がこもった。


(もし……舞様が手にかけられていたら……っ)


倒れている中に女物の着物が見えないようにと願う。


謙信「お前ひとりで来たのか?」


白馬に跨っている人物が私を正面から迎え、着物の色を確認することはできなかった。

早く舞様の安否を確認したいが、この男をどうにかしなければならない。

謙信は軍神の名に負けることなく、他者には無い風格があった。


謙信「石田……三成と言ったか。骨のない男どもの相手にうんざりしていたところだ。相手をしてもらおう。
 参謀ごときが、どこまで俺の刀を受けられるか、たかが知れているがな」


謙信は物憂げに刀を構え、私も刀の柄に手をかけた。


「み……つなり……君?」

三成「え………?」


探しに来た愛しい人の声がした。恐怖におびえた声は近くで聞こえ、その出所(でどころ)を探す。


(倒れているなら下から聞こえるはずなのに、そうじゃない)


目線の高さが同じ所から……

そこで初めて、謙信の腹部に掴まっている二つの手が見えた。


(まさか……)


馬を数歩横にずらし謙信の後ろを見る。


三成「舞様!?」


(何故謙信の馬に舞様が?)


生きてくれていたことに安堵したものの、馬に乗せられている事情がわからない。


「三成君っ」


目が合った途端、舞様の目から涙がこぼれた。
謙信が構えている刀には血がついていて、地には倒れ伏した男達。


三成「あなたはもしや…舞様の目の前で…」


自分を探しにきてくれた織田の人間を目の前で殺されてしまった……舞様はどんなにか心を痛めただろう。
真っ青になっている舞様を今すぐ抱き締めてあげたかった。

あなたのせいではないと。最初から私が捜索隊に加わらなかったのが悪かったのだと。


/ 1022ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp