第7章 姫が居なくなった(三成君)
光秀「それは俺がやる。早く行ってこい」
三成「参謀の仕事を放っては行けません」
光秀「行け。舞が行方をくらました付近には、その少し前まで上杉軍の前線が出てきていた」
上杉軍の前線と聞き、顔から血の気が引くのを感じた。
三成「まさか上杉謙信が…?」
光秀「姿を見た者が何人もいる。もし捜索隊と鉢合わせたらどうなるか。
あの男は女嫌いだ。容赦なく……殺されるかもしれんぞ?」
がたっ!!
床几が音を立てて倒れた。
三成「舞様を見つけ次第、すぐに戻って参りますっ!」
光秀「わかった」
天幕を出て、急いで馬の用意をさせている間がひどく長く感じた。
家臣「準備できました!」
馬をもう少し休ませてやりたがったが、全力疾走させなければいけない。
申し訳ないなと首を撫でてやる。
三成「私は舞様の救出に向かいます。光秀様の指示に従うようにしてください」
家臣「はい」
先に行った者達の馬の足跡を追いかける。
三成「舞様っ!どうかご無事でっ」