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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第6章 姫がいなくなった(光秀さん)


「私の願いは国へ帰ることですが…こんな可愛いお稲荷さんが叶えてくれるでしょうか…」

光秀「国へ帰りたいのか」

「もちろんです。いつでも帰れるよう、誰とも慣れあわないのはそのためです」


舞がキツネの人形が気に入ったようで、頬を緩めて可愛がっている。


光秀「なるほど、人を遠ざけていたのはそういう訳か」

「はい。詳細はお話できませんが光秀様には迷惑をおかけしているので、このくらいならお話しても良いかなと思いました」


国に帰るために自分を偽り続けている。
そう聞かされて妙に寂しい気持ちにさせられた。


光秀「お前が帰ったら、俺は寂しいぞ?きっと……」

「え……?」

光秀「さて、いってくる」


聞き返されたが二度は言わない。
立ち上がると舞は部屋の入口まで見送りに立ってくれた。


「光秀様、お気をつけて」


返事をしようとして声を失った。


光秀「っ!?」

「!?」


舞の身体がキラキラと星のように輝き始めた。


見張り1「な、なんだこれは!?」

見張り2「消えて……いく」


星屑を纏った身体がスウッと透けて、舞の身体の向こう側が見える。

驚いているのは本人も同様で、自らの身体を見おろし、手が透けているのを確認し、最後に俺を見た。

大きく見開かれた目が何か訴えようとしている。


「……み……で…さ……っ」


身体は目の前にあるのに声がひどく遠い。

こちらに伸ばされた手を掴んだ瞬間、俺の手は空を掴んだ。


光秀「舞っ!」


目の前に居たはずの女が……消えた。


見張り1「き、消えたっ!消えたぞっ!」

見張り2「神隠しだ!」

見張り1「お館様に報告を!」


騒々しく走っていく音が遠ざかる。

あまりの出来事に、無駄と知りつつ部屋の中を見回した。


光秀「……」


舞がいつも身辺に置いていた、おかしな荷物入れも消えていた……。


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