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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第39章 桜餅か桜酒か(信玄様&謙信様)


謙信「少々待たされるのはいたしかたないが、これからはいかに俺が想っているか求愛する。
 拒むことは許さん。いいな?」

信玄「それは俺も同意見だな」


念押しする謙信にちゃっかりと便乗して、信玄も舞を見つめている。


「きゅ、求愛………っ!?」


2人から?とでもいうかのように舞は謙信と信玄を交互に比べた。

可愛い反応だと、まず動いたのは信玄だった。


信玄「ちょうど求愛の春だしな、早速してみようか」

「え?」


信玄が何を『してみようか』と言ったのか舞が考える間もなく、火照った片頬に手が添えられ、少し開いていた唇が塞がれた。

一連の動きは水が流れるがごとく、信玄が動いた時点で口づけは必然だった。


「…んっ………!?」


熱い舌が舞の口腔にスルリと侵入し、桜餅の香りと餡子のほのかな甘さを分けるように絡んでくる。

濡れたリップ音を聞かされて謙信が殺気を放ったが、気づいたのは信玄だけで舞は巧みな舌使いに翻弄されていた。

信玄は舌を絡ませたまま何度も口づけの角度をかえ、舞の目尻が潤んだ頃にやっと唇を離した。


「はっ、はぁ……し、信玄様……」


濡れた目で甘い息を吐く舞を、信玄は目を細めて見つめた。

もう気持ちを隠す必要はないと、溢れる想いをそのまま言葉に乗せた。


信玄「舞がこの時代に来たばかりの頃、『いつも強い姿を見せるのは凄いけど、頼る時は頼らないと団結力が鈍る』って言ってくれただろう。
 未来から来た君はあまりにもまっさらで、何もできないだろうって思っていたのに、俺は部下の気持ちをないがしろにしていたと気づかされた。
 それからはもう舞のことしか見えなくなっていた。
 君が故郷を夢見ていてもいい。それは仕方のないことだって俺はわかっているつもりだ。
 例え1年でも君と過ごしたいんだ。来年もその次の年も、桜餅を出してもらえるよう身を尽くして愛するよ」

「信玄様…」


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