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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第39章 桜餅か桜酒か(信玄様&謙信様)


謙信「色よく染まった花は愛らしい…」

「か、からかわないでください」


ここまで言われれば自分が花に例えられているのだとわかる。


謙信「女を揶揄う趣味はない。本心から愛らしいと言っている」


低い声に確かな熱が滲み、語尾が掠れた。

まるで大切な人を腕に抱いているかのような表情や声色に、私の胸は急激に膨らんでパン!とはじけた。


(何これ、謙信様の前でこんな気持ちになったことなかったのに!)


顔を覆って混乱している間も、謙信様が髪を梳くので治まってくれない。


佐助「謙信様。幸せ満喫モードのところすみませんが、そろそろ帰る時間のようです。
 次で最後にしましょう」

「謙信様、ほら、次ですって。おろしてください!」

謙信「もう少しこのままでいさせろ。
 肌寒くなってきたから俺で暖をとれ」

「ええぇ……?」


どうしても謙信様が離してくれなかったので、仕方なく抱かれたまま棒を引くことになった。

棒先を手の平で覆って確認すると4。
その数字を誰にも見られないようにサッと懐に隠した。


(今度は命令されない番号だといいな)


王様が誰かみんなの顔を伺っていると、背後からひと声かかった。


謙信「俺が王だ」


え、と見れば謙信様の棒に王冠のマークが書かれている。


(謙信様が王様っ!?何を命令するんだろう。
 あ、今すぐ刀の訓練相手になれとか?)


佐助君と幸村も同じことを思ったのか、いつでも逃げられるように腰を浮かしている。

最後の命令を皆がじっと待つ中、謙信様は私を見下ろしながら薄く微笑んだ。


(なんだろ、嫌な予感がする…)


低い声が朗々と命じた。


謙信「今日が終わるまで、4番は王の傍を離れるな」

「っ!?」


(見られないようにすぐ仕舞ったのに、まさか私の番号を知ってる!?)


間違いじゃないよねと手のひらを開けると、やっぱり私の番号は4番だ。


幸村「やべえ、俺5番だった」

佐助「俺は3番だ」

兼続「2番だ…」


各々ほっとしているが、2回続けて命令されてしまった身としては羨ましい限りだった。


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