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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第39章 桜餅か桜酒か(信玄様&謙信様)


信玄「そう気にしなくていい。謙信の野郎は君が佐助や兼続と親しげにしていたからいじけているだけだ」

「?」


もともと謙信様は私に無関心だし、誰と仲良くしようと口出しされたことはない。

なんで?と聞きたくても、謙信様がものすごく機嫌悪そうで聞くに聞けなかった。

芸術品のように格好良い人が怒ると、半端なく迫力があるからやめて欲しい。


謙信「信玄…。花と共に散りたくなければ、くだらない邪推もほどほどにしろ」

信玄「ほんとのことだろう?兼続が姫を支えたのを見て殺気立っていたのは誰だよ」

謙信「知らん」


(————さむっ!謙信様が座っている方から冷気が流れてくるっ)


この辺だけ一足早く桜が散ってしまいそうな冷気にブルっと震えた。


「お二人とも、そのへんにしてください」

謙信「黙っていろ。今日こそこの忌々しい信玄と勝負をつけてやる」

「えっ、今ですか!?」


冗談かと思えば謙信様は姫鶴の柄を掴んですでに立ち上がっており、静かなる怒りを燃やしている。

一方信玄様はどっかり座ったまま盃を傾けて余裕そのもので、対照的な2人の間で私は『どうしよう!?』と焦るばかりだ。


信玄「まったく…可愛い姫の前で無粋な奴だな」

謙信「うるさい、早く刀を抜けっ」


(大変だっ、佐助君、謙信様をなんとかして!)


助けを求めると佐助君は小さく頷いて、細い木の棒を胸元から取り出した。


「?」


(なんだろ。ただの棒に見えて佐助君の発明品とか?)


佐助「謙信様、信玄様、余興の第2弾の時間です。
 ここにいる全員、順にこの棒を引いてください」


幸村や義元さんが棒を引いていき、棒の先には小さく番号がふってあった。
2人はお互いの番号を見せ合って『これはなんの数字だ?』と首を捻っている。


(こ、これはもしや王様ゲームっ…!)


斬り合いが始まるよりは平和的だけど、王様ゲームは何を命令されるか不安にさせられるゲームだ。

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