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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第5章 姫がいなくなった(元就さん)


明かりが消されると部屋の中は真っ暗になった。

暗い部屋に舞の忍び笑いが聞こえてきた。


元就「……何ひとりで笑ってんだよ。薄気味悪いぞ」

「だって……この布団…元就さんの匂いがして、良い香り………」

元就「っ、待て、どんな匂いだ!」


元就がソファから起き上がる音がして、舞の掛け布団が勢いよく捲られた。


元就「…何も匂ってないじゃねえか!」

「いい匂いしますってば!自分の香りだから気が付かないだけですよっ!
 私だって自分の匂いがどうかだなんてわかりませんし」

元就「嗅がせろ」


元就の鼻が舞の首筋に迫った。


「えぇっ!?や、ちょっと、エッチ!セクハラ!」

元就「悪くないな。それに不快にも感じない。
 お前となら一緒に寝られそうだ」

「………は?」


戸惑う舞をよそに元就は遠慮なくベッドに入ってきた。


「ちょ、ちょっと…元就さん?潔癖症はどうなったんですか?
 私、頭から除菌スプレーを浴びてきた方が良いでしょうか」


枕の隣に枕を置かれ、舞はベッドの端に移動した。


元就「必要ない。それより大事なこと、ひとつ忘れてんじゃねぇか?」


無遠慮に元就がベッドに横たわり、スプリングがギシリと鳴った。


「大事なこと……ですか?」

元就「今日は卯月の16日だ」


仰向けで寝ていた舞は身を起こして、時計なんかあるはずもないのに室内を見まわした。


「嘘っ!!今何時?まだ日付越えてない!?
 元就さん、誕生日おめでとうございます!」


元就は身体を舞の方に向けて、肘をついた。


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