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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第37章 姫の年越しシリーズ(2025年)・1月1日


分岐1・政宗ルート


玄関で草履を履いているとこちらにずんずんと歩いてくる足音がした。あの人は性格だけじゃなく足音まで大胆だなと口が緩んだ。

心を預けられる人が本当のところどういう意味かわからなかったけど、ふと思い浮かんだのは政宗だった。

急いで草履を履いて出迎えると、晴れ着の上に外套を着た政宗が現れた。普段からお洒落な人だけど今日は着物が色鮮やか柄のも大きく華やかだ。


政宗「よう。俺をご指名だそうだな?」


指名と言われるとホストみたいだなとスーツ姿の政宗を想像してしまう。スーツも似合いそうだけどやっぱり政宗は着物が良い。


「急に行くことになったの、ごめんね。
 何か大事な用事とか入っていなかった?」

政宗「ない。新年の挨拶なんてな、全員にたりよったりで欠伸が出るほど退屈なんだ。舞の護衛ができるなら喜んでいくぜ?」


容易された草履をさっさと履くと、政宗は付き人から刀を受け取って腰に下げた。
一連の動作が颯爽としていてすごく格好良い。

昨日は変な掛け声でこの人を大笑いさせたんだっけと、新年早々に過去を振り返って落ち込んだ。


政宗「信長様から行ってこいって言われたんだろ。
 さ、行くとするか」


政宗は自然な仕草で腕を曲げて差し出してきた。

道が悪いから掴まれってことだろうけど恋人でもないのにこういうことを平気でしてくるから困る。


「大丈夫、1人で歩けるよ」

政宗「へえ」


いつも以上にニヤニヤと意味深に笑われて『何なのよ?』と外に出てみてわかった。

ぱっと見ただけでわかる見事なアイスバーンだ。

昨日まで圧雪道路だったけどアイスバーンじゃなかったはず。なんで?と立ち止まった私に政宗がフッと笑った。


政宗「深夜降った雨が凍結したんだ。どうした、1人で歩くんだろう?」


戸惑う私の横を通り過ぎ、政宗は1人で歩いて行く。


「ま、待ってよ」


初詣は信長様の命令だ。アイスバーンだろうが火渡りだろうが行かなきゃいけないと草履をスキー板のように前後に動かして追いかけてみた。


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