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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第36章 姫の年越しシリーズ(2024年)・12月31日


「あれ?もう1回乾杯しようとしたのに信長様がいないな…。
 ま、来てからでいっか。光秀さん、まだまだ飲むよー、かんぱーい!」

光秀「乾杯」


酒豪の舞は男達を次々と負かして、残るは光秀と信長のみ。
しかし勝負はつきつつあり、舞の目はトロリと溶けていた。


「どうして安土の皆はもれなく男前なんだろうね。ずっと思ってたんだけど逆ハー乙女ゲーみたいだよね、ここ。
 でも私って特殊能力もないし、可愛くない上に逞しいし、お得なところといえば歴史の知識がちょっとあるくらいで、それもなんだかあやふやなんだよね。
 王道ヒロインから1万キロかけ離れてるから、乙女ゲーみたいな場所に居ても何にも始まらないし。
 でもぶっちゃけ普通が良いんだよ普通が。気をつかわなくていいし。そっちが格好良いとこっちまで綺麗にしなきゃってなるじゃん?普通が一番だよね」


舞がくだをまき始め、光秀はわかる範囲の言葉を繋ぎ合わせてフッと笑った。

この娘が普通を望んでも周りが許すはずがないのだ。

立ち居振る舞いは女中以下、常識的なことに関しては未来人であるからしかたないのだが、町娘以下の時がある。

しかし品性も常識もない、どうしようもない女かと問われればそうでもない。

兵の怪我の回復が早く生存率が高いのは舞のおかげだし、餅つきの時のように皆を喜ばせる発想と芸も持っている。他に魅力的な点は多々あり、並べたらキリがない。

『普通が一番』と言って、いつまでも自分の価値に気づかないでいると、横並びで牽制し合っている男達相手に今後問題になると光秀は踏んでいた。


光秀「だいぶできあがってきたな」

「だってさあ、イケメンの寝顔を拝みながらお酒飲んでるんだよ?
 政宗の寝顔だけで徳利1ついけちゃうよ。
 光秀さんは眠くないの?」


舞はフフフ~と不気味に笑った。光秀の寝顔を酒の肴にする気なのが丸わかりである。


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