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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第34章 呪いの器(三成君)


佐助「ワームホールの兆候があらわれたのは昨夜だったんです。
 多分偶然じゃない。三成さんが起こした行動のおかげで俺達3人は帰ってこられたんだ」

家康「じゃあ、そういうことにして俺は行くところがあるから」

「え?家康?」


家康が立ち上がってさっさと行ってしまおうとした。やる事があるのはわかるけど、あまりに唐突な感じがして呼び止めたら、彼は足を止めて言った。


家康「舞の護衛を1年もやったんだ。
 礼は言わないからな」


思いっきりツンとした言い方にピンときた。だてに1年も共同生活をしていない。


(これは物凄く感謝してるっ!)


「えへへ」

家康「いやらしい笑い方してると嫌われるよ」

三成「舞様はどんな笑い方も可愛らしいのでかまいません。
 家康様、一緒に帰ってきていただいてありがとうございます」

家康「別に。じゃあもう行く」

「あ!家康、いつでも言ってね」


お手伝いの件を持ち出すと、家康は一瞬躊躇していらないと首を振った。


家康「駄目。いらない、絶対」


三成君が一緒に来る可能性を危ぶんでいるみたいだ。それならばと条件を提示してみた。


「1人ならいい?」

家康「ありえないでしょ。絶対ついてくる」


三成君はお仕事があるんだから四六時中一緒に居るってことはない。

タイミングをはかれば私1人で手伝いに行ける時があるだろう。


「大丈夫だよ」

家康「無理だと思うけど1人なら良いよ。
 あっちから持ってきた荷物いっぱいあるんだから早く荷ほどきした方がいいんじゃない?
 じゃあね」


重い書庫の戸をくぐって家康の足音が遠ざかっていくと、佐助君もさっと立ち上がった。


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