第34章 呪いの器(三成君)
家康「ところで確認したいことがあるんだけど、ワームホールが開いて未来に行けたとして3つの条件が解決しないうちに戦国の世に戻ってくる可能性はある?」
時期を誤れば戦国時代に戻ってきた途端に舞は落命する。それでは意味がない。
佐助「残念ながら時期に関しては完全に運任せです。
ここからは俺の仮定ですが500年の時が繋げるには『雷』『雨』といった条件の他に、必然的になんらかのエネルギ—が必要になると考えています」
家康「えね…?」
佐助「エネルギーは力とか熱量といったものです。
ワームホールの膨大な力は人知をこえる量だと推測され、だから時を超えるという神域の現象が起こるのだと考えています。
その膨大な力が集まるためには過去の記録から最短で3か月かかっています」
家康「3か月じゃ3つの条件を達成するには短すぎる。
三成もなるべく早く処置をするって言ってたけど、はぁ…ほんと次から次と問題が出てきて面倒だな」
どれもこれも人の努力ではどうしようもないことばかりで家康は天井を仰ぎ見た。
佐助「まずは一緒に未来へ行ってみましょう。最低でも3か月は舞さんの延命ができるんですから。
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家康「つあ…?…………もういい」
こいつ、この状況でよくとぼけられるなと、家康は死んだような目で立ち上がった。