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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第34章 呪いの器(三成君)


家康「大人の理由ね…」


家康は佐助の心の底を探るような目つきで呟いた。


(舞との会話もこんなふうにあからさまに話題を変えられることがあったな…)


佐助が言う大人の理由とは歴史に関わることだから、そういうことなんだろうと家康は納得した。

舞も未来を悟られないよう苦労していたのかと思うと家康の瞳に憐れが浮かぶ。


家康「大人の理由は追及しないでおく。
 三成は今回の決断をするにあたって、500年後に行った後、もう一度ワームホールに開いてもらうためにひとつの仮定を立てた」

佐助「一体どんな?」


佐助はワームホールに関しては自分が第一人者として自負している。他人が仮定した内容に知的好奇心をくすぐられて、前のめりになっている。


家康「舞のことなんだけど、あの娘は未来のことを誰にも話さないんだ。
 でも初めて本能寺に現れた日のこと、俺と初対面にも関わらず『え、あの徳川家康?』と言ったんだ。その後も安土の武将に会うたびに似たような反応をしていたんだ。
 俺は少し変だなと思った程度だったけど、三成は違和感の理由をずっと考えていたらしいんだ。
 舞から『500年後からきた人間だ』と打ち明けられて、三成はやっと違和感の理由に思い至ったって言ってた。

 『安土の武将は500年後まで名が残っている。それも誰もが知るような著名な武将として』

 そう予測したんだ」

佐助「それは………」


佐助は言葉に迷った。

佐助もそうだったが戦国時代の武将に会って驚きを隠すのは難しい。

タイムスリップ直後に謙信を救助して春日山に行き、有名な戦国武将が次から次と現れて、あの時は表情筋が死んでいて良かったと思ったものだ。


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