第33章 歪な愛は回る(謙信様)続編配信記念作品
謙信「舞は俺の底なしの欲望を未だ知らないだろう。本当は俺がどんなふうにお前を愛したいか、著しく人と違うのを理解しているからこそ抑えているが、いつかその箍が壊れるやもしれん」
寝間着を乱そうとたぐる手に力がこもる。
「あ……謙信様、も、眠らなくては…」
私を無視して謙信様は憑かれたように話し続けている。
謙信「手始めに誰の目にも触れさせないところに閉じ込める。
そして手足を縛り付けて自由を奪えば愛らしいお前の目に映るのは俺だけになろう。舞の身の回りの世話を全部してやる日々は間違いなく俺を満たすに違いない。
そうすれば誰かに傷つけられることはないのに………それができない。
ならば俺は舞の周りの者を斬って捨てれば守れるだろうか?」
冗談で言っているのかと思えば、二色の目には残酷な色が浮かんでいる。
私を閉じ込めて守れないなら周りを殺すだなんてめちゃくちゃすぎる。今までもそういう片鱗を感じたこともあったけど『周りを殺す』はあんまりだ。
「そんなことしたら駄目だってこと、わかってますよね?」
キッと睨むと、謙信様は昏く笑った。
謙信「俺の異常な欲深さを理解してもらうには膨大な時を費やさなくてはならんな。
まずは1人ではできぬことを2人ですることにしよう。舞が生きていると…直に感じさせてくれ」
「っ………!」