第32章 私と恋愛する気ありますか?(謙信様)
謙信「図々しかろうが一度した約束は約束だ。
しかも二言はないかと確認して、舞は絶対約束を守ると言った。
約束を破ったら、逆さづりにして井戸に漬け込んでやろうか」
「し、死んじゃいますって。
ひどいですっ、謙信様っ!」
井戸に漬け込まれた自分を想像し、舞は青ざめた顔で首を振った。
謙信「兎に角(とにかく)、早く水浴びしてこい。
油でも塗ったかのようなテカリ具合だぞ」
「えっ!?!?やだ、いってきますっ!」
戸を閉めて服を脱いでいると、向こうから謙信の声が聞こえてきた。
謙信「水浴びが終わったら俺の部屋に来い。
逃げたら地の果てまで追いかけるからな」
「う……はい……」
舞の逃げる気をしっかり削いだあと謙信は去っていった。