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ハイキュー 短編夢小説集

第4章 月島蛍夢 ちよこれいと


「ちょっと……今日はどうしたの?」
「別になんでもないもん」

 不貞腐れた声で歩き続けていると、昔よく月島と山口と三人で遊んでいた神社に続く階段が見えてきて、立ち止まった。
 後を追ってきていた月島も神社への道に気が付き、止まって言った。

「昔よく山口と遊んでた所じゃん。すぐに山口蝉取ってくる所」

 月島も覚えていたのか、と思いながら階段を見つめていると、ぽん、と頭に手を置かれて言う。

「ぐりこ」

 長い階段で手軽に遊べる子供遊び。小学校の頃はよくやっていた、と改めて階段を見ると月島の手が出てきて言う。

「やる?」
「やだっ!蛍ちゃん頭良いから強いんだもん」

 山口と三人でやっても何時も勝つのは月島。
 駆け引きが重要なゲームなので、頭が良い月島は強かったのだ。

「二人でやったらすぐに終わるからやらないっ」

 ぷいっとそっぽを向くと、月島は学ランのポケットから小さな包み紙を出した。
 それがチョコレートの包み紙である事に気が付くと、パァっと目を輝かせて言う。

「チョコ!」
「勝ったらあげる」

 にぃ、と笑う月島に再び頬を膨らませた。そうだ、月島はこう言う性格だったのだ。

「蛍ちゃん性格悪い」
「昔から」

 ひょい、っと持ち上げられ階段の三段上に降ろされた。
 そしてチョコレートをポケットに戻しながら、月島は言う。

「ジャンケン」


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