第13章 優しい君へお礼を籠めて1(2015/12/5 赤葦誕生日夢)
「女 !? 女 !? つーかお前彼女いたのか !? 」
「何を言っているのですか。クラスメイトですよ」
「普通クラスメイトに『愛くるしい』なんて単語は使わないっつーの!」
ギャーギャーと喚き騒ぐ木兎にどう対応しようか揺らされながら考えていたら、身支度を整えた雀田が呆れた声色で木兎に告げた。
「木兎五月蝿いよ。体育館もう閉まるんだから早くして」
「ぐっ……」
問い詰めたいがこれ以上の時間延長は認めないと言う無言の視線を送る白福の視線も浴び、木兎は諦めて赤葦から離れて自身の鞄をぶつぶつ文句を言いながら肩にかけていた。
「…………普通じゃない、のですか」
始業式の後以来無意識にだが目で追ってしまっていた事、愛くるしいとクラスメイトに抱く事が。木兎の言動をしっかりと記憶し、明日なんて声をかけようかと密かに赤葦は考えるのだった。
(2015,12,5 飛原櫻)