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ハイキュー 短編夢小説集

第7章 *及川徹&岩泉一夢 恋愛相談箱 両片思い


 何かをしようとしている事が会話から分かったので、岩泉は近付きながらに見る。
 田嶋の傍には大量の荷物を持っている女生徒が一人。
 一人で持つには確かに量があり、重そうな荷物だった。

「バスケ部の後輩の子。一人でこんなに持ってるから、代わりに運んで上げようかと思ってね」
「どうせ暇だし、今ちょっと教室に居たくねぇ理由もあるから付き合うぞ」
「いいの?悪いね」

 話についていけずにいる女生徒から、荷物をヒョイっと取り、尋ねておく。

「何処に運ぶんだ?」
「あ……えと、社会科の備品室に……」
「分かった」

 岩泉の話を聞きながら田嶋も残りの荷物を持ち、慣れた様子で言っていた。

「ちゃんとやっておくから。これからは一人で無茶したら駄目だからね」
「田嶋先輩ありがとうございますっ」

 ペコペコと頭を下げる姿を見ながら、二人で荷物を運ぶ。
 歩き慣れた廊下を歩きながら、岩泉は言う。

「お前も相変わらず良い奴してるな」
「そう?困った時はお互い様じゃん」
「そうだけど、お前も女子だろ?」

 岩泉がそう言うと、田嶋は笑いながら返してくる。

「そんな事言うの、はじめ位だね。私身長あるし、バスケ部だから筋肉もあるからさ」

 即答で言うので、岩泉は一瞬及川の事を考えたが、スルーをして田嶋の事を見た。
 確かに田嶋は女の子ぉ、と言う容姿はしていない。
 それに性格もサバサバしていて、面倒見も良く、岩泉も異性と言うよりも同性に近い感情を持って接している。
 それを抜きとしても、小学校高学年からの顔見知りであり、友人付き合いが長いのだ。


 その友人付き合いが長い、が及川の空回りに繋がってもいる。


 準備室に着き、互いに身長が高いので、サクッと棚に荷物を戻せてしまう。
 こう言う時に意味も無く甘えてくるのが女なのかもしれないが、田嶋にはそれはない。
 自分で出来る事は自分でやる。
 当たり前の事だが、それを自然体で出来る田嶋とは一緒にいて岩泉は楽であった。

「そう言えば及川と一緒にいないんだ」
「ワンセット扱い止めろ」
「あはは」

 ガラガラっとドアを閉めて鍵を掛けていると、後ろから大きな声が聞こえて振り返ると噂の男の姿。
 岩泉を指差し、大声で言った。

「あーー!何で岩ちゃん一緒に居るの !? 」
「偶然」
「後輩の荷物運び手伝ってもらった所だから」
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