• テキストサイズ

キミだけのヒーローに.......【ヒロアカ/爆豪勝己】

第8章 #5 英雄


 まだ個性発現はしていないけれど、将来オールマイトを超すヒーローになるのが目標の俺にとって、個性を上手く使える様に教えてくれる大人が欲しい。
 それを絶よりも強い筈の大地にして欲しかった。

(絶よりつえー奴になってナンバーワンヒーローになれば……)

 そうなれば俺は堂々と命の事を護ってやれる。
 命はヒーローになりたがっている様子はねぇし、一般知識を身に付けて来たとしても、世間知らずなのは変わらない。
 俺がちゃんと傍に居て、護ってやんねぇとならない。

「いやぁ、いい歳してるのについつい緊張しちゃうな」

 車のハンドルを切りながら言う父親の言葉に、母親はスパンと頭を叩いていた。
 俺の家ではこの力関係が当たり前で、正直父親が情けないと思う時がある。だから、グイグイ引っ張ってくれる男に憧れずにいられない。

(早く着かねぇかな、ショッピングモール)

 ついつい持ってきてしまったオールマイトのウルトラレアのカードを見ながら、口元が自然とニヤけてしまっていた。





「いたいた!ごめんなさいね〜!待たせちゃったかしら?」

 駐車場に車を停め、親に手を引かれて向かった先に見慣れた姿があった。

「かっちゃん来た!」

 出久の声のする方を見ると、何時もだったら絶対に張り付いている命の姿が無かった。
 出久の母親に絶。そしてその絶の隣に立っている男の腕に、命は抱き抱えられていた。

「かっちゃん!お父さん降りる!」

 俺の姿を見て、命はぱしぱしと肩を叩いて降ろしてもらう。そうするとすぐに俺の元へと駆け寄ってきて言うのだ。

「かっちゃん早く早く !! 」

 興奮気味の命の手に引かれ向かう先に立つ一人の男。
 コイツが大地なのかと、見上げるとすぐに俺達の目線に合わせる様にしゃがんでくれた。

「初めまして、君が勝己君臨かな?命がね、昨日の夜からずっと君と出久君の話しかしないんだよね」

 そう話し掛けてくる大地の事を見る。
 命の毛先の色と同じの緑色の髪に、焦げ茶色の瞳。絶とは真反対で鋭い目付きはしていなく……一言で言うならば『優男』だ。

「…………」

 顔に全て出ていたのだろう。大地は俺の事を見ながら苦笑いしながらに言うのだった。

「あれぇ?もしかして俺期待はずれだったかな?」
/ 33ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp