キミだけのヒーローに.......【ヒロアカ/爆豪勝己】
第7章 #4 父母
俺達の親も勿論であり、メニュー表を俺達に渡して雑談を始めていた。
お子様ランチがあるページを見ながら、出久も目を輝かせている。俺も腹が減っていたし、オマケの玩具も貰えるのだからソワソワしてしまう。
「お子様ランチの玩具は一人一個、このカゴの中にあるのから選んでねー」
店員の女の子人がそう言いながら、おもちゃが入っているカゴを出してきた。
「オールマイトあるかなぁ !! 」
「オールマイトなんかあったら瞬殺だろ」
「しゅんさつ?」
「かっちゃんは本当に難しい言葉いっぱい知ってるね!」
俺の言葉に首を傾げる命と、目を輝かせる出久に、照れているのを気が付かれない様にドンとした状態で言ってやった。
「出久と命が何も知らねぇだけだっての」
「出久、しゅんさつ、って何?」
「えっと……」
答えられずに口篭る出久は、助けを求める様な視線を俺に送ってくる。その姿を見て、はぁと溜息を付いてからさも知っていて当たり前の様に俺は言ってやるのだ。
「瞬殺つーのは、ほんの短い時間っつー意味合いだよ」
「かっちゃん本当に何でも知ってるね!」
俺に尊敬の眼差しを送ってくる出久に鼻が高くなっていると、命はゆっくりと小首を傾げて言う。
「短いじかん?」
余り命にはピンと来なかったらしい。命にも分かりやすい説明はないかと考えていた所で、絶の事を見て教えてやった。
「この間のスーパーの肉の特売の日。絶、肉の取るまで滅茶苦茶早かっただろ?あー言うのを瞬殺って言うんだよ」
主婦にとって特売入手程大事な事はないと、目にも止まらぬ速さで特売肉を手に入れた絶は言っていた。
確かにあの時の絶の動きはまるで熟練の敵かと思う程の覇気もあった位だ。
親で誰よりも身近な存在である絶で説明されて、命は理解したらしい。
絶の事を目を輝かせながらに見て言う。
「お母さんしゅんさつ格好良い」
「オールマイトの玩具なんか、そんな感じに合ったらすぐに誰かに持ってかれるんだよ。合ったら運が良い」
「でもやっぱりオールマイトが欲しいなぁ……」
ガサガサとカゴの中を漁りながら言う出久を見て、命は徐にカゴの中に手を入れると掴んだ物を取り出していた。
それはソフビ人形のオールマイト。二個掴み出した所を見ると、俺と出久に一つずつの様である。
「オールマイトだ!」