【夢小説】バレー馬鹿は恋愛下手にも程がある【HQ/影山飛雄】
第4章 二話 彼女(予定)です
この目の前にいる牛島と言う人物は仏頂面に反して、真面目にしっかりと話を聞いてくれる人の様であり、少しだけ安心していた。
「てか彼女って何 !? 初耳なんですけど !! 」
「一昨日言いましたよね?」
小首を傾げながら言う影山に、朔夜は一昨日の事を思い出してみる。
いや、そんな事は微塵も言われて等いない。
「お前が私に言ってきた事はセックスして下さいだろうがぁぁぁ!」
「はい、言いました」
「それがどう転がって彼女、に変換されるんじゃらい!もう帰らせろ!」
騒ぐ朔夜の状況を見て、牛島は落ち着いた表情のまま分析したのか言う。
「影山、一目惚れしたのか?」
「はい」
「ならばもう少し違う言い方をしないと、田中さんには伝わっていないぞ」
牛島の言葉に影山は朔夜の事を見て、改める様に両手を握り締めて言ってきた。
「一目惚れしました」
真剣な表情で言われたけれど、全く心に響かない。
確かに目の前にいるのは、大多数の人間がイケメンだと言う位に顔立ちが整っている男である。
が、朔夜に取ってはタダの変態にしか映らない。それに何よりも……。
「私、付き合う相手はオタクがいい」
キッパリと告げると、影山は首を傾げて少し考え、そして言う。
「俺、バレー好きです」
本人は至って真面目であるのだから疲れてしまう。
朔夜は青筋を立てながらに、改めてハッキリキッパリと伝える。
「漫画とかゲームが好きなオタクが良い。スポーツオタクは人種が違うんだよ、バホがぁ」
「バボちゃん好きなんですかっ !? 」
何故、そう捉えたのだと思い、朔夜は叫びながらにツッコミを即入れた。
「馬鹿と阿呆を纏めてばほって言っただけじゃい!バボちゃんは…………バボちゃんは正直ピンク可愛いと思うけど!」
そう言えば何かの時期になると、サザエさんのエプロンの柄がバボちゃんになるので、バボちゃんは面識ある。
あのキャラは正直可愛いと、バレーには興味無くても思ってはいた。
「ピンクのバボちゃんですねっ!俺絶対に手に入れてきますのでっ!」
「んんっ?……んん…………んー……」
影山の言葉に朔夜は首を捻らせる。
これは遠回しに次回の会う予定を作られているのではないのか、と。