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【夢小説】バレー馬鹿は恋愛下手にも程がある【HQ/影山飛雄】

第6章 四話 部外者が打ち上げ会にいる意味ある?


 そもそも朔夜はどちらかと言えば少食の方である。少食に食い物の山は見ているだけで吐き気が出る気がする。

「じゃあ半分は俺が食うから」

 そう言うと影山は、朔夜のお皿に山積みになっている肉をひょいひょいと食べだした。
 まるで飲み物の様に焼肉が影山の口の中に入っていくのを、朔夜はじっと見つめてしまった。
 その朔夜の視線に影山が気が付かない訳がなく、ぴたりと動きが止まった。

「?」

 他の物でも食べるのかと、見つめる事を止めずにいると、影山が小声で言ってきた。

「……んなに見られたら恥ずかしいんだけど」

 耳まで赤くして腕で顔を隠す影山に対し、朔夜は何も思っていないのか淡々とした口調で言う。

「私そんなに食べないから、食べる人見てるの楽しい」

 朔夜にとっては特に深い意味もなく、思った事をそのまま口にしただけである。が、言われた方は同じ感情で受け取るとは限らない。
 特に影山にとっては朔夜は意中の相手である。そんな相手に見ていて楽しい、と言われて嬉しくない訳がないのだから。
 影山は耳まで赤くしながら、流し込む様に肉を食べだす。朔夜はそれをほー、と言う表情で眺めているのだった。

「……アレ、一応イチャついてるって認識になるのか?」
「……全く分からない」

 朔夜と影山の様子を見守っている周りは小声で話していた。
 影山の片思いのみで成り立っているのは誰が見ても分かるのだが、朔夜もイマイチ性格が読み切れなくて判断しずらいのだ。
 ガツガツと食べている影山の事を暫く眺めていた朔夜だったが、流石に飽きも来たのか山が無くなりそうになっている肉をやっと口の中に入れて食べ始めた。
 柔らかくて食べやすくて、こんな肉があるのだなぁ、と朔夜は考えていた。
 高い肉なのか、とぼやーっと考えつつ、周りを改めて見てみた。
 今は普通に食事をしている体格の良い男集団であるが、少し前まではプロとしてスポーツをしていた人達である。


 言ってしまえば芸能人と変わらない有名人、だ。


 その中にちょこんといる自分はやっぱり異質な存在なのではないのかと、気になってしまう。
 バレーボールの知識なんて欠けらも無いし、試合を見ても虜になる事もなかった。
 ただ、ここに居る人達が本当にバレーボールが好きで、だから職業としている事だけは理解出来た。
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