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【夢小説】バレー馬鹿は恋愛下手にも程がある【HQ/影山飛雄】

第5章 三話 雰囲気だけで乗り切れ


 ぽん、と頭を叩くと星海もシャワールームへ行く為に控え室から出て行ってしまった。
 必然的に影山と二人っきりになってしまった朔夜は、渋い顔をしながら影山の事を見上げていた。


 流石の影山も、不機嫌と言うか不貞腐れた表情になってしまっているのだから。


 その理由は勿論分かっている。

「朔夜」
「…………え?」
「だから、朔夜」

 朔夜の言葉に影山は耳まで赤くしながら、興奮した様子で言うのだ。

「俺は影山飛雄です!」
「知ってる」
「朔夜さんって呼んでもいいですかっ !! 」
「別に好きにすればいいけどさぁ……」

 んー、と伸びをしてから、朔夜は改めて伝えた。

「別に同じ歳なんだし、わざわざ敬語で話さなくてもいいし。てか、敬語とか気になるから無い方が楽」

 朔夜の言葉に影山は益々興奮したのか、少し大きめの声で言ってくる。

「じゃあ敬語はなしで !! うん……朔夜、って呼んでいいかっ?」
「どーぞどーぞ、もうお好きにして下さい」

 本当に温度差があるなぁ、と朔夜は他人事の様に思っていた。まぁ片思い、なんてそんなモノなのだろうと割り切る事にもした。
 改めて影山の事を見上げていると、毛先からぽたぽたと水滴が滴り落ちてきている事に気が付いた。
 ちゃんと髪の毛を拭く事も出来ない程に急いで戻ってきたのかと思うと、どっと疲れが出てくる。

「帰らないからちゃんと髪の毛位拭きなよ」
「うす」

 ドスッとさも当たり前かの様に、影山は朔夜の隣に座った。そして肩にかけていたタオルでガシガシと髪の毛を拭いていた。
 する事も無いし、とその姿をジーッと見ているとピタリと影山の動きが止まった。
 拭き終わったのかと朔夜が思っていると、影山がボソリと呟き言う。

「…………んな見られたら恥ずかしい」

 その言葉に朔夜は本気で首を傾げながらに尋ねた。
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